隣町の鯖江市には、ツツジの名所、西山公園があります。
例年ゴールデンウィークあたりがツツジの満開にあたって
公園全体が、白や朱やピンクや紫に染まります。
今は、満開一歩手前、というところでしょうか。
ところで、植物の名前の漢字表記には
植物そのものとはなかなか結びつかないような不思議な表記をたまに目にします。
それでも、向日葵(ひまわり)や山茶花(さざんか)のように
一応は、何かの植物を表しているんだろうな、とわかるものが多いです。
ところが、ツツジの場合は、漢字では「躑躅」と書きます。
よりによって「足へん」なんです。
植物なのに足?
しかも躑躅という漢字は、なんとなく髑髏に似ていて、おどろおどろしく
華やかなツツジには、とても結びつきません。
なんでこんな漢字表記なのだろう、と調べてみると
確実な根拠、由来は見つけることができませんでしたが
多くの出典に共通する由来は
「躑躅とは、歩行の進まない状態、足踏み、を意味し
ツツジを食べた羊が足踏みして死んでしまったこと」でした。
ツツジの蜜には毒があるようです。
歩けなくなった羊のエピソードほどには多くないものの
もうひとつ見つけた由来は
「見る人が足を止めるほどに美しい」というものでした。
こちらの由来を信じた方が、満開のツツジを見た時に穏やかな気持ちでいられそうです。
「食べると死ぬから躑躅と書く」と思いながら、
ツツジに満たされた公園に佇むのは背筋が寒くなりそうですから。
漢字は、たった1文字の中に、豊かな意味を持ち
その組み合わせで無限の意味を表現できるので、好きです。
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