2022年6月2日木曜日

夕日に向かって走れ。

バラバラの個性が集う組織の中で、ビジョンが共有されるとしたら
それは、どんな性格を持つものなのでしょう。

個性が多様であるということは、何を好み、何を好まないか、是とし非とするかが
必ずしも一致しないということです。
であれば、ひとつの価値、方向性を、ともに目指すことを
善しとする点で一致するというのは、とても難しいことのように思えます。

しかしそこが一致しないと、組織ばバラバラなまま、烏合の衆となってしまうでしょう。
簡単なのは、似通った価値観を持つものが集まって
その間で合意できるものをビジョンとして共有することです。
似たもの同士による、仲良しグループのようなものです。
これだと、ビジョンは共有され、一体感は高まるでしょうけれど
似たもの同士ということで、突飛な発想が生み出されることは少なく
変化に弱い組織ということになりかもしれません。
現代の環境であれば、致命的にもなりかねません。

多様な個性が集いながらも、烏合の衆に陥らず
チームとして一つにまとまるために共有できるビジョンとは。

そんなことを考えながら今日の夕日を見ていました。

そこで思いついたのは、ビジョンとは
誰かによって人工的に創られ与えられるものではなく
否応もなく、ともに見い出され、ありありとした実感を持ち
そこから得られる実感について、共に語らうことができるくらい五感に響くものである
ということです。

まさに、ともに見つめる夕日のように、です。
夕日は、誰にとっても、そこに、ありありと存在し
眩しく、暖かく、それがそこにあってくれてありがたいという気持ちが湧きます。
思わず魅入ってしまいます。

多分、太陽というものが私たちの命を根源的に支えているという
実感がそのような態度を生み出すのではないでしょうか。

そのような圧倒的かつ具体的な存在を目の前にした時
私たちは違いを超えて、思わずそちらを眼差し、魅入り
そちらに向かって歩もうとします。

多様な個性が集う組織の中で共有されるビジョンを生み出すには
会議室ではなく、海岸で朝陽や夕陽を見つめながらの対話をこそ
するべきではないでしょうか。
圧倒的な深さを持つ思考を手に入れるには、
圧倒的な存在を目の当たりにする必要があります。





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