2018年9月7日金曜日

演劇からのファシリテーション。



演じるということ
物語をともに創るということに
私たちは、根源的欲求を持っているのではないかと
思えるくらい、特に経験のない人が
演劇を創ることに、あっというまに熱中していきます。


僕が講師を務めている
ファシリテーター養成講座でのことです。

僕の基本的なスタンスとして
ファシリテーターは、細かなテクニック、スキルの前に
場に対して心身を開いて、自然体で向きあい
答えを定めたがる欲求に争いながら
深めていくという「あり方」と
そんな自分と他者の関わりと時間の流れを
幽体離脱のごとく「俯瞰すること」が大切だと思っています。

で、それを、説明に頼らずに
体感的に身につけることができないかと
試行錯誤してきて、今、演劇にたどり着きました。

演劇のベースになる
物語の展開と配役、キャラクター設定を
仲間とともに考えることは
自分が含まれる現実を俯瞰する目を養いますし

ともに紡いだ物語を演じることと
いやおうなくやってくる即興アドリブの瞬間に
向きあうことは
状況の中に心身を開いていく自然なあり方につながります。


演劇自体は、企画開発や人間関係論など
ファシリテーション以外の分野の授業、研修で
なんども試みていたのですが

今日は、初めて
ファシリテーター養成に
演劇を取り入れてみたわけです。

最初はとまどっていたみなさんが
あっという間に役になりきって
様々なキャラクターを演じる様子や
それを鑑賞する様子
さらにその体験を振り返る様子から

これは、やっぱり
ファシリテーションの核心に触れる経験になると
確信した次第です。

状況を俯瞰し、かと思えば没入し
アドリブに即興的にノリ、違うノリを返し
ともに流れを生み出しあう。

自分の力でなんとかするのではなく
互いに共振共鳴しながら
新たな地平を開いていく。

そんな状況が生まれました。
もちろん、いきなり演劇に取り組んだわけではなく
関係づくりや、自分や他者の内面の深堀など
事前にかなり長時間の段階を踏んでのことですが
とはいえ、段階さえ踏めば
私たちは、ともに新たな世界を紡ぎ出す心身のあり方に
たどり着くことができるという
確信めいたものが得られたのは、興奮の体験でした。


演劇体験とファシリテーション。
俯瞰と没入と即興の間を自在に行き来する。



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