2022年6月1日水曜日

そこにそれを置くだけで開ける世界。

 最近は、いわゆるガチャガチャで手に入れた小さなフィギュアを

身近な場所に、いくつか組み合わせて置いて

そこに生まれる世界を写真に収めることを楽しんでいます。


ガチャガチャは、僕が子供の頃からずっとあって

大人になった今も、小銭を入れて、ガチャ、ガチャっと回す時は

なんとも言えないワクワク感があります。

昔は30円くらいだったと記憶していますが

今は安くて200円くらい、高いものだと500円のものもあります。

物価の影響もありますが、それだけ造形が細かくなったということもあるでしょう。


しばらく、ハシビロコウの、ややデフォルメ気味のフィギュアが気に入って

いろんな場所で撮影していたのすが、

つい先日「わび・さび」シリーズを見つけ一目惚れしました。

僕の好きな、神社にまつわるフィギュアです。

これまで、灯籠、鳥居、狛犬を手に入れました。


近くにある公園は、今までも何度か撮影していますが

狛犬と灯籠のフィギュアを持って出かけて、どこに置こうかとあちこち見回すと

今までとは違った目で公園を眺めていることに気づきます。

今までは、公園の中の美しい景色、画角を探していたのですが

狛犬と灯籠のフィギュアを持った時には、それを置くにふさわしい

または、それを置くと面白い意味が広がる場所を探しています。


石の上にこんもり生えた苔の上に灯籠と狛犬を置いてみました。

背後には美しい植栽が広がります。

ギリギリまで接近して撮影すると、背景はぼんやりとぼやけて

苔の上の小さな灯籠と狛犬が、どんと浮かび上がります。

小さな灯籠と狛犬のスケールにあわせて、いつもの公園が広大な空間に

スケールアップしたように感じます。


馴染みの場所が、いつもと違う何かを持って歩くだけで違った世界に見えてきて

それを、そっと置いてカメラを向けると、あたらしい世界が開けてきます。

いつもの場所は、いつもの通りそこにある、なんていうのは

思い込みに過ぎないな、と思います。

たったふたつのフィギュアで、その場所は、いつもと違う意味を帯びた

新しい世界として開けてくるのですから。



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